ビッグデータと地図

ビッグデータと地図

 

国土地理院は2017年、地図作成にビグデータを活用すべく、民間業者と協定を結びました。地図の精度を上げ、登山客に役立つ情報を提供するためとしています。実際、2018年には日本アルプスや屋久島の登山道が修正された地図がオンライン上で公開されました。これまでの地図製作は実見の測量に依拠していましたが、手間と費用が無駄ではないかとの指摘が寄せられていました。また当該企業はGPSを通じて登山客の移動経路をデータ化しており、そのデータを解析することで、これまでの地図に不正確な部分があれば修正できると考えていた地理院としては、見通し通りの修正を叶えることができたのです。登山道は天候や人為的な理由で、ルートや細部の情報が日々変わります。仮に雪崩や土砂崩れのような不測の事態が生じたとしても、ビッグデータを利用することで瞬時に地図を更新することができるようなりました。但し「スモールデータ」しか集まらないような箇所、すなわち登山客の少ないところは分析すること自体が難しく、今後の課題となりそうです。

確かにビッグデータの活用には上述したようなメリットがあります。しかし、しばしば問題視される「監視社会」を形成することにもなりかねず、メリットとデメリットを天秤にかけ、きちんと吟味する必要はあるでしょう。政府と民間とが個人情報を介して協力し合うのは気味の悪いことでもあり、GPSで登山客の一挙手一投足が探索できるという事実を軽んじることはできません。今やビッグデータの活用は急増しており、地図製作以外にも消費活動を中心に、我々の行動は監視されています。消費者としては需要に応じた商品やサービスを効率よく提供してくれる一方、内心まで覗き見られているような心地の悪さを感じた人も少なくないはずです。

 

 

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