縮尺

地図上の都市や河川を考える上で、縮尺の問題は非常に重要です。というのも、都市は点であるとは限らず、河川も線であるとは限らないからです。つまり、縮尺が異なれば、都市や河川の表現の仕方も大きく異なるのです。具体的には、縮尺が大きければ、都市は点ではなく、広がりを持った面データとして表現されることになります。逆に縮尺が小さくなれば、点に近づくことになります。都市に比べれば、縮尺が相当大きくても河川や道路はそのほとんどが線で示されますが、過度に大きな縮尺の地図上では、面データに変わることもあります。このことからも分かるように、縮尺の大きな地図は、比較的定性的データと相性が良いと言えます。逆に、縮尺の小さな地図は、定量的地図として作成するのが適当だと言えるでしょう。
 地図をよく理解するようになると、縮尺が、地図表現の忠実性にも関わるものであると分かるようになります。例えば、地図の図法に正角図法、正積図法なるものがあります。この「正」こそ、忠実性を意味するのですが、地図の忠実性とは、形状、位置、範囲のそれを指します。そして主題図はこの忠実性の分類により、正形状図、正位置図、正範囲図、どれでもない図の4つに分類することが出来るのです。忠実性の高低は当然ながら縮尺の大小に起因します。一般に、大きな縮尺の地図では忠実性が高く、正形状図となり得る資格を持っています。形状が忠実であるということは、位置や範囲も忠実であることになるため、
正範囲図が、正位置図と正形状図を、正位置図が正形状図を包摂していることが理解できます。秀逸な地図では、建造物の形状までもが正確に描かれており、例えば農地の地図であれば、その農地の経営規模をも推察することができる程です。

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