3月 2019Archive

現在のメッシュマップ

 現代のメッシュマップは手書き時代のそれとは異なるため、最近はモノクロのメッシュマップを見かける機会が減りました。デジタル化に応じて政府も標準コードを整備しており、国土数値情報、工業統計、商業統計等を、誰でも手軽に利用できるようになっています。
 ところで主題図の目的はそもそも、主題に関する情報を提供することにありました。ですからその表現部分が目立つような地図でなければなりません。しかし基図を排除してしまうわけにもいかないので、主題の表現と基図とが絶妙、絶妙なバランスの内に併存しているのです。ベースマップの存在感を薄めるためには、印刷スキルを会得しなければなりません。多色刷りが可能な場合は、ベースマップをグレー等の地味な色で統一し、主題表現を浮かび上がらせます。しかし単色刷りしか行えない場合、ベースマップを陰に追いやるための工夫が必要になるのです。
 主題図において、ベースマップが主役でないことは間違いありません。しかし不要とするわけにもいきません。何故なら、主題の内容の存在位置、広がりを、ベースマップが示すからです。ベースマップのその役割は、色々な方法で達成されます。例えば経緯線、山や河川等の地形、鉄道や道路等の交通路、役所や学校といった施設、集落、行政界、地名等が背後に見えれば、主題内容の位置や広がりは十分認識できます。

等値線の注意点

 等値線で表現するのは、地図作成者にとって魅力的ですが、幾つか注意すべきポイントがあります。等値線は基図に書き入れるという形で表現しますが、その等値線は基図の表現より目立たなければなりません。主題図である以上、等値線がその主題を表現しているからです。実際、優れた地図に見られる等温線、等雨量線等は、どれも太い実線が用いられています。
 さて、メッシュ記号もデータ転換機能を持っています。メッシュ記号は等面積のグリッドで構成された格子で、それを基図に重ね合わせた地図がメッシュマップです。一つ一つグリッドのデータを表現する記号ですが、グリッドは便宜上の区画であり、それ以上の意味はありません。つまりグリッドを一種のドットと捉えることができ、面データが点データに変換されるのです。メッシュマップというくらいですから、グリッドを視認できるものもあるのですが、中には線を消している地図も存在します。このような地図は見た目にも点データと捉えやすく、面積という概念が消失します。因みにメッシュ記号は名目尺度にも順序尺度にも対応していますが、比率尺度には対応していないと考えた方が無難です。名目尺度の例としては、土地利用図を挙げることができるでしょう。順序尺度の例としては、市街地拡大図や商店分布図、耕地率図等が挙げられます。
 メッシュ記号は模様や方向で名目尺度を表現し、大きさや濃淡で順序尺度を表現します。以前は手書きのものも多かったので、モノクロのメッシュマップを想起する人も多いのですが、現在はデジタル化が進んでおり、標準メッシュコード体系も整備されています。

等値線の特徴

 等値線といえば、等高線や等深線のような地形を表現するものや、等温線や等雨量線といった気候に関するものがよく知られています。最近は環境問題への関心が高まっていることから、新たに地盤沈下量や大気汚染の程度を測定して、等値線が作成されることもあります。等値線は当然ながら線記号なのですが、地点を結ぶという性質上、「地点」の統計量と、「地域」の統計量とが読み取れます。前者であれば定量的点データと解釈できますし、後者であれば定量的面データと理解できます。ただ後者の場合、面倒な配慮が必要になります。というのも、各データが、当該面の面積に相応するものでなければならないからです。等値線が作る面は、全て面積が異なっています。ですから面積比を無視してデータを取り扱っても意味がありません。
 等値線図を作成する際、点データを線データに転換することになります。いわゆる内挿法がそれに当たり、地点間のデータの傾斜を推定するのです。推定は多くのデータ分布から導き出される、直線的な変化率を前提とします。ですから多くは単純な比例配分によって決定することになります。但し、内挿法に狂いが生じることもあります。ドットの並びが直線から遠ざかり、格子状に位置してしまう状況がそれです。どの点同士を結ぶのかは、補足的データに頼って行う他ありません。しかし場合によっては、そのようなデータの入手が困難なこともあるでしょう。その場合、対角線の交点の値が基準になり得ます。
 定量的面データとして等値線を読み取る時、面の代表点は分布状況次第だということになります。分布が均一と想定できるならば問題ありませんが、不均等なのであれば、やはり補足データを利用するしかありません。分布の重心は色々な方法で算出できるので、興味のある人は統計学を学べばよいでしょう。